2016年04月11日付ブログ『経営視点から斬る「女性の活躍推進企業データベース分析」業界比較①』をご参照ください。同ブログでは、従業員1,001人以上の大企業を対象に、正社員における女性従業員比率、女性管理職比率の業界毎の単純平均値の比較を行いました。この時は、厚生労働省の4月1日時点でのデータを使用しました。
あれから約2か月以上が経過し、企業や厚生労働省のデータインプットも大きく前進した模様です。今回は、6月3日時点でのデータを上記と同じ対象と切り口で分析します。前回と今回の対象となるデータの相違は次表のとおりです。
2016年6月30日
投稿者:
コラム
カテゴリ:
徳田亮
経営視点から斬る「女性の活躍推進企業データベース分析」業界比較③
データ数(分析有効社数)が1.6倍に増えたので、その分、前回に比べ、より正確に全体のトレンドを見ることができるようになりました。また、データ数が増えた分、より細かく業界を切ることが可能となりました。例えば、今回、「エンジニアリング」とか「BPOサービス」というカテゴリーを新設したり、「飲食宿泊」を「飲食」と「宿泊」に分離したりすることができるようになり、結果的に業界区分数は前回の1.4倍の56業界となりました。そのほかの「前提条件」はほぼ2016年04月11日付ブログと同様です。
【分析結果】
前回予想したとおり、今回の分析結果は前回の結果を踏襲するものでした。
業界平均値において、女性管理職比率は、女性従業員比率と正の相関を持っている (その中で、従来女性が担ってきた「ケア」サービスや女性向けの製品を扱っている業界が上位にきている; 下記ご参照ください)
どの業界もグラフを斜めに横切る45度線よりも下にある (全業界において、一般社員から管理職に昇進する確率は、男女50:50でなく、女性の方が低い)
女性管理職比率(縦軸)の高い業界、低い業界はそれぞれ次のとおりでした
上位3業界: 介護・保育、アパレル小売、化粧品 (3業界の顔ぶれは同じ。化粧品とアパレル小売の順位が逆転)
下位3業界: 鉄鋼、エンジニアリング(新設)、輸送用機器(自動車以外) (前回は金属製品、鉄鋼、建設業の順。今回、金属製品は下から4位、建設業は下から5位)
今回はデータ数を増やして、結果的に2016年04月11日付ブログでの分析を再検証する形になりました。データのダウンロード、インプットデータの修正、業界設定・割り付け、グラフ化、これらの工程で1週間以上かかりました。工数の割に新たな発見はありませんでしたが、サンプル数を1.6倍にしての「再検証」自体に意味があったと解釈しています(そう思いたいです)。みなさんのご参考になれば幸いです。
なお、次回は続編として、今回と同じ1,018社のデータをもとに、業界の括りをこれまでよりも大きくして同じ2軸で分析をしてみます。特に製造業と非製造業の対比に着目して、ビッグ・ピクチャーを鳥瞰したいと思います。
関連記事リンク:
コラム
アーカイブ
カテゴリー
コラム
Value&Vision の徳田亮と近藤美樹がグローバルリーダー育成、ダイバーシティ&インクルージョン推進、女性リーダー育成、経営コンサルティングなどに関する内容を、エッセイ、分析、対談など、さまざまな形式で綴ってゆきます。