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当社V&Vがご相談を受ける研修案件の多くは、受講者の「意識・行動変革」を目的に掲げています。例えば、受講者が「リーダーになるための覚悟と自信がもてるよう意識づけし、職場でリーダーシップを発揮できるようになってほしい」「一段高い視座から課題発見や課題解決ができるようにしてほしい」といったケースです。このような案件に関して、V&Vは、定員を絞った(最大20名まで)、複数回に亘るプログラムを推奨しています。1回の講演や単発の研修では、知識やワンショットの刺激を与えることはできても、受講者の意識や行動を変え、定着させることは不可能だと考えています。
成人の意識・行動変革には、一定の期間が必要です。理由は次の通りです。
すでに固定化している考え方や行動のパターンがあり、自らが納得できる理由がない限り、それらを自発的に変えることはありません。
研修においては、受講者に継続的に「自分と向き合う機会」を与え、自らの課題を認識し、変わる必要性を「腹落ち」させることが必要です。V&Vの経験では、数回に亘る研修の中盤くらいで変わる必要性の「腹落ち」が始まります。(成長意欲が高く、問題意識をもって研修に臨んだ人はもう少し早く変化の兆しがみえます)
さらに、研修では、講義内外の仕掛けを通じて、安全な環境のなかで、受講者がComfort Zone(居心地のよい、これまでの状態)を超えて、小さな一歩を踏み出すことを促します。小さな一歩が積み上がると、職場においてActive Agent(主体的な行為者)として行動できるようになります。職場でのこの「行動」の変化が始まるのは、通常、複数回の研修の終盤です。
上記のアプローチが有効に働き、変わる「腹落ち」から職場での「行動」までを連続的に体験できた事例を、V&Vが頂戴したフィードバックからご紹介します。(ご紹介する事例は、大手企業の女性リーダーおよび候補を対象とした複数回に亘る研修で、複数の企業の研修事例から抜粋しています。個人の感想は、組織・個人が特定できない程度に表現を一部変えてあります)
受講者の声①:「リーダーになりたくない」⇒「成長実感」⇒「リーダーになる覚悟がついた」
「研修を受ける前は、リーダーになる気は全くなかった。”リーダー研修”という名前自体に抵抗があり、研修に対するモチベーションは低かった。
研修は予想とは違って、座学ではなく、グループワーク、演習の多いビジネススキル研修、学びの職場実践など「完全体験型」だった。ひとつひとつの取組みに夢中になっているうちに、徐々に自分の成長が実感できるようなり、モチベーションがあがってきた。
また、多様なリーダーシップのあり方を知り、グループワークで自分なりのリーダーシップを発揮できるようになると、自分でもリーダーになれる気がしてきた。研修の中盤に、自分がこうなりたいと思えるリーダーシップスタイルを見出すことができ、研修の終盤には、リーダーになる覚悟がついた。その後、職場でリーダー役を引き受けるに至った。
長い研修期間中、自信をなくして落ち込んだこともあったが、先生が個人的に声をかけるなどサポートしてくれたので、乗り越えることができた。振り返ってみると、この研修は、受講者が自発的に気づきを得て、意識や行動を変えていけるような仕掛けが満載のプログラムだったと思う」
V&Vのコメント
V&Vの研修では、受講者にあるべき論を押し付けたり、強制的に何かをさせることはありません。受講者を意志を持つ大人として尊重し、講師はコーチや応援団として受講者の自発的な自己変革への取組みを継続的に支援していきます。
研修開始時に、「変わりたくない」「変われない」と思い込んでいた受講者が、しばしば「あること」がきっかけで自ら変わっていくことがあります。「あること」とは、講師の話のみならず、グループワーク、他の受講者の言動、ゲストスピーカーのお話、職場での学びの実践など、人それぞれです。
我々は、「人は変われる。しかし、変わるタイミングは他者がコントロールすることはできない」と考えます。研修では、さまざまな工夫をこらした学びの場を提供し、ターニングポイントとなる「あること」が受講者に訪れるのを、焦らず見守りながら待ちます。
受講者の声②:「自信がない」⇒「もっとやれる!」⇒「存在感を高め、貢献したい」
「研修を通じて一番うれしかったのは、自分の可能性を信じられるようになったこと。
研修前は自信がもてず、「自分のできることはこの程度」と自分の能力に限界をつくっていた。研修でのグループワークで、いろいろな人と協働し、相対的に自分の強みや個性を知ることができた。さらに、自分の強みを先生や他の受講者から指摘されて、「私はもっとやれるのでは?」と思えるようになった。
また、研修で、リーダーになるにあたって不安に感じる領域の知識を身に着け、ビジネススキルを学び、課外ワークの職場実践で、学びを業務改善に活かせたことでも自信がついた。これからはさらに存在感を高めて、後輩女性の育成にも貢献していきたい」
V&Vのコメント
特に女性は、男性上司の遠慮から仕事の成果や能力について十分なフィードバックをもらえない場合があります。上司から、叱られもしないが褒められもしないという受講者は、自分の実力を過小評価している傾向があります。V&Vの研修では、受講者に自らの強みに気づかせ、強みをさらに磨いていくことを奨励します。
また、特に女性は自信がもちにくいという特性があるので、受講者と講師が信頼関係を築き、受講者が安心して失敗できる環境を整えることが研修の鍵となります。研修の間、講師は常に受講者に「承認」や適切なフィードバックを行い、受講者に健全な「自信」をつけてもらうようしています。
研修開始時には自信なさげであった受講者が、終了時には「もっとやれる!」という自己効力感がもてるようになったのは、狙い通りの効果であり、嬉しく思います。
事務局様(人事ご担当者)の声:「受講者の意識と行動が変わったことを実感」
「受講者本人のみならず、受講者の上司も、職場での受講者の意識と行動の変化を実感してくれている。例えば、業務以外のプロジェクトのメンバー公募に自ら手をあげたり、後輩の指導をかってでたり、専門分野の勉強を始めたりと、さまざまな職場で受講者が積極的な行動をとるようになったときいている」
「研修期間中、受講者たちが成長していく様子を目の当たりにした。研修の回を重ねるにつれ、受講者間に健全な競争意識が芽生え、控えめだった人も積極的に一歩前にでるようになった。プレゼンテーションのレベルも上がり、ひとりひとりの発言の頻度も増えた。グループワークの最終発表では、受講者の潜在能力を役員や上司に示すことができた。役員や上司の女性人材育成に対する意欲を高めることができたのは大きな成果である」
V&Vのコメント
受講者本人のみならず、上司や第三者の目からみて受講者の「変化」を実感していただけたことは、我々にとってこの上ない喜びです。
V&Vの研修プログラムは、事務局様と二人三脚で各社の状況や受講者の特性に合わせてつくりあげていきます。我々をパートナーとして信頼してくださることにとても感謝しています。
ご一緒させていただく事務局様の研修にかける熱意とコミットメントにはこちらも頭が下がります。これからも「インパクト」のある研修をご提供すべく、我々も進化する努力を怠りません!
以上、意識・行動変革を目的とした研修プログラムの事例のご紹介でした。V&Vの研修プログラムの概要は、こちら(人材育成のページ)をご覧ください。
2017年10月3日
投稿者:
コラム
カテゴリ:
近藤美樹
意識変革・行動変革の実現例 ~女性リーダー研修の感想から~
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