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40代以上の女性管理職(または候補)の服装問題についての第3回目です。(第1回、第2回 もご覧ください)
悩み⑤:洋服にかける予算と買い物にかける時間が限られている!
解決のヒント⑤:アイテムごとに予算にメリハリをつけ、体型にあった服を無駄なく購入する
前回(Part 2)の仕事着を断捨離して一から構築しましょう、というアドバイスを読んで、「そんなにお金をかけられるわけないでしょ!」とご立腹した方がいるかもしれません。エグゼクティブ女性向け服装指南では、「質のよい高価なスーツを買いなさい」というアドバイスを目にします。個人的には、役員クラスでもない限り、エグゼクティブ仕様の高価な服を着る必要はないと思います。Part1の解決のヒント①であげたように、「信頼感」と「好感度」を得ることができ、自分に似合っていて着ていて自信がもてる服を、賢く手に入れるのが得策です。「自信がもてる服」という観点で選ぶと、安かろう悪かろうという服は選択肢から除外されます。
まず、自分の体型にあった服が買える信頼できるブランドやショップを見つけます。試着が必須なので、ここは足で探すしかありません。一旦お得意ブランドが決まれば、無駄足を踏まず短時間に効率的に買い物ができるようになります。また、セールを狙って買い足していくことができます。私は、どういうわけか出張先にある某百貨店の某フロアにいくと、必ず必要としているアイテムに出会うことがわかりました。そこで、仕事着はその百貨店で購入することにして、百貨店カードをつくり、ポイントをためて買い物に還元しています。
ジャケットとボトムスは、多少高くても、自分の体型にあっていて着心地のよいことを最重視します。ただし、仕事着は消耗品で一生ものではありません。毎日惜しげなく着られる金額のもので十分です。高価な服は、レセプションや講演など短時間の勝負服ならいいのですが、日常の仕事着にすると汚れるんじゃないか、しわになるんじゃないか、と余計な気遣いが生じます。
ジャケットの下に着るインナー(シャツ、ブラウス類)は、ヘビロテアイテムなので、どんなに大切に着ても寿命が早くきます。また、ジャケットやボトムスほど体型にあったものを選ぶのが難しくありません。手入れのしやすい、手ごろな値段なもので十分だと思います。私は、低価格ブランドや駅ビルのショップなどでコスパ重視で探しています。
自分の体型にピッタリの仕事着に出会ったら、同じものや色違いのまとめ買いもお薦めです。モデル体型でもない限り、自信をもって着られる、体型にあった服との出会いは多くはありません。私は、同じものや色違いで複数買うことがあります。(同じものを買うのはもったいない!と思う方は、仕事着=制服・衣装を思い出してください)
買い物にいく時間がとれなくてオンラインショッピングで服を買いたい方もいるでしょう。気持ちは痛いほどわかりますが、仕事着のオンラインショッピングは要注意です。「体型にあった服」を買うには、試着必須です。また、生地や縫製のクオリティ、微妙な色味は写真では判断できません。最近は、返品可能なオンラインショップも増えましたが、返品手続にかける手間暇を思うと、「まあ、このくらいならいいか」と妥協して返品しないことがあります。しかし妥協して購入した服は自信をもって着ることがきません。結果、たんすの肥やしになります。(私は何度も痛い目にあいました)半日でもショッピング・デーを確保し、足で回ったほうが結果として無駄がありません。オンラインは「リピート買いのみ」をお薦めします。
悩み⑥:服装を参考にできる人がいない!
解決のヒント⑥:虚像より、現実の人を参考にする
多くの日本の組織では、40代以上の女性管理職の数が少ないため、服装に関してお手本になる人を身近に見つけるのは難しいと思います。40代以上を対象にした女性ファッション誌は複数ありますが、日々の仕事着の参考にするには、流行色が強かったり高級すぎたりして、しっくりきません。しかも着ているのはスタイル抜群のモデルさんですから、現実味に欠けます。雑誌の中で参考になるのは、スナップショットやインタビュー記事などに登場している一般の方の装いです。
現実の人として参考になりそうなのは、世界のニュースの女性キャスターやレポーターの服装です。お国柄の違いもありますが、総じて「信頼感」と「好感度」を意識した、地に足の着いた服装をみることができます。個人的にはNHKのワールドニュースに出てくるドイツZDFの女性キャスターの装いが好みです。
また、外出したときに、勝手に「素敵なビジネスウーマン」ウォッチングをしています。素敵な方に出会うと、「何が素敵なのかな?」と分析します。通勤時間帯の主要駅や出張の新幹線、オフィス街などが、ウォッチングしがいのある場所です。(怪しまれないようにさりげなくWatchしていますが…)
Part1~3のまとめ
①「信頼感」と「好感度」を重視する
②「クール」と「ソフト」のバランスを考慮する
③今までの服が似合わなくなったら、ゼロベースでコーディネートを構築する
④少数精鋭の仕事着を制服・衣装として管理する
⑤アイテムごとに予算にメリハリをつけ、体型にあった服を無駄なく購入する
⑥虚像より、現実の人を参考にする
以上、私が試行錯誤を経ていきついた考え方・How toをご紹介してきました。「ふさわしい装い」は業界や職種によって異なると思いますが、年代や立場に共通するお悩みのヒントになればうれしく思います。
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2016年11月9日
投稿者:
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カテゴリ:
近藤美樹
40代+女性管理職の服装問題 Part 3
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