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専修大学リーダーシップ開発プログラムでの講義(2017年6月29日)

Photo by PIXTA

6月29日に専修大学の「専修リーダーシップ開発プログラム」で「ダイバーシティ・リーダーシップ」の講義をさせていただきました。

 

同プログラムは、学部生が「リーダーシップ」を体得することを目的として開講し、今年で5年目。私が講義をするのは、今年で3年目となります。受講生は、公募制で書類選考や面接を経て選抜されます。受講料は自己負担5000円。必然的に意欲のある学生さんが集まり、講師としては、とてもやりがいがあります。(過去の記事はこちらから。2016年2015年

 

今年の受講生は、学部・学年混合の29名。ジェンダーダイバーシティの進化は著しく、3年前は20%だった女子比率が50%となりました。(専修大学部生の女子比率35%を超えた!) また、1,2年生という低学年の女子が多かったのは印象的でした。

 

プログラムの期間は8か月で、講義に加えて、リーダーシップを実践から身につけていく場として「チーム活動」を行います。チーム活動のテーマは、協力企業から与えられるリアルなビジネスに関わるものです。座学での学びとチーム活動によるリーダーシップの実践が同時並行である形式は、当社の企業向けリーダー研修に通じるものがあります。「理解する⇒実践する⇒振返る⇒再挑戦する」のサイクルを一定期間にできるだけ多く回すことは、意識・行動変革の促進に有効なアプローチです。

 

私の授業のテーマは、「ダイバーシティが組織に与える影響」と「多様なメンバーで構成される組織で、個々の力を最大限に引き出すリーダーシップのあり方」です。受講生は、学部・学年混合のチーム活動を2か月経験し、「多様なメンバーで成り立つチーム」の活動の、よいところも難しさも実感していました。そのせいかテーマに対する問題意識がとても高く、発言や質問も数多くあがりました。「多様性のあるチームの強み」のグループ討議では、自分と異なる人と協働することで「自我がめばえる」「自分の強みが活かせる」、結果として「自分の成長につながる」という発言がありました。これは、実体験からの気づきではないかと思います。

 

また、このプログラムの素晴らしいところは、受講生の「横」のつながりだけなく、昨年の受講生がチューターとして今年の運営や受講生をサポートするという「縦」のつながりがあることです。授業の最後に、チューター達に昨年この授業を受けた後の経験談を話してもらいました。「多様性を受容することの重要性を授業で理解したつもりだったけど、自分と違う意見を受け容れるのは実際には苦しいことだった」、「自分と異なる意見を否定せずに聞くコツは、“自分は仙人だ”と思うこと」など、それぞれの試行錯誤を共有してくれました。

 

今年の受講生はあと5か月間、チーム活動が続きます。自分と価値観や考え方の異なるメンバーや社会人のステークホルダーとの協働を通じて、彼らがどれだけ成長するのか楽しみです。ダイバーシティ&インクルージョンの本質を理解する最も有効な手段は「体験すること」です。心地悪さから逃げ出さずチーム活動をやり遂げた後に彼らが見る景色は、どのようなものでしょうか?

 

世代の離れた学生さんと対話することは、私自身にとっても「ダイバーシティ体験」の貴重な機会です。今年も学生さんからエネルギーを分けてもらいました!

2017年7月3日

投稿者:

コラム

カテゴリ:

近藤美樹

専修大学リーダーシップ開発プログラムでの講義(2017年6月29日)

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Value&Vision の徳田亮と近藤美樹がグローバルリーダー育成、ダイバーシティ&インクルージョン推進、女性リーダー育成、経営コンサルティングなどに関する内容を、エッセイ、分析、対談など、さまざまな形式で綴ってゆきます。

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