
Photo by Rika Otsuru, MyStyleVacation.com
「女性リーダー育成プログラム」ときくと、怪訝そうな顔をする方がいます。「そもそも女性だけで行う意義があるのか」と懐疑的なのです。
実は、私もその一人でした。 これまで働いてきたグローバル企業では、男女分け隔てなく教育の機会が提供されました。そのため私は、機会が均等なら女性だけを特別扱いする必要はないし、男女一緒に学んだほうが教育効果は高いのではないかと考えてきました。
昨年の夏、IMD(リーダー教育に定評のあるスイスのビジネススクール)の日本代表である旧知の高津氏と久しぶりにお会いしたときのこと。「女性リーダーを育成するのに、女性だけで行う研修に意義があると思いますか?」とお尋ねすると、「IMDで女性に特化した評判のよいリーダー育成プログラムがあるよ。そんなに疑問に思っているなら参加してみては?」というお返事が!
百聞は一見にしかず。私は、スイスに飛び、自分を実験台に女性に特化したリーダー研修の効果を確かめることにしました。(IMDでの体験談はおって掲載する予定です)
IMDの研修を終えた、私の結論は…。 このプログラムを立ち上げたくらいなので、おわかりだと思います。
「女性に特化したリーダー教育は必要か?」⇒「必要であり有効である」
「必要である理由」⇒「リーダーになるうえで女性に特化した課題があるから」
「有効である理由」⇒「女性に特化した課題を克服するうえで、女性だけで学ぶことのメリットがあるから」
多くの企業は、海外勤務者に共通するニーズに応えるために赴任前研修を導入しています。それと同じく、リーダーになっていく女性に共通する課題の克服のための、女性に特化したリーダー教育は、極めて合理的な育成施策であると考えを改めました。
ただし、費用対効果を得るためには、「とにかく女性を集めて何らかの研修を行う」という発想ではなく、対象者と目的を明確に設定するべきです。内容によっては女性だけで行う意味がない場合もあり、意味がなければ社内で納得性を高めることができません。
IMDの女性リーダー研修(Strategies for Leadership)は、シニア~アッパーミドルマネージャーレベルの女性を対象に、上級職に就くために特に女性に強化が必要なテーマだけに集中したプログラムです。
そのコンセプトを受け継ぎ、EWLPは、対象者を管理職または管理職候補の女性に絞り、対象者に共通する課題の克服支援に焦点をあてています。
2014年7月15日
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近藤美樹
【旧サイト】女性に特化したリーダー教育は必要か?
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近藤美樹の旧ウェブサイト「Empower Women Leaders Program」に掲載されたブログ(2014年7月~2016年4月)を転記しています。