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以前のブログで2回に亘って、「プレゼン資料作成の基本」について書きました。今回は関連するテーマについて、プレゼンのうまい人とへたな人を分ける要素、というアングルから2回のシリーズで取り上げます。
早速ですが、プレゼンのうまい人とへたな人を分ける要素とは何でしょうか?
ここでは2つの要素を考えました。「累積経験量」と「マインドセット」です。
ひとつめは、「習うより慣れよ」の言葉どおり場数、つまり、それまでの人生でプレゼン資料を作ったりプレゼンをしたりした累積経験量です。これまでの観察から、個人のプレゼン累積経験量の多寡は、下の二つの要因から成り立っていると考えます。
・ 職場でプレゼンが行われることが多いかどうか
・ 個人が「パワポ世代」(後述)に該当するかどうか
2017年6月1日
投稿者:
コラム
カテゴリ:
近藤美樹
プレゼンのうまい人とへたな人を分ける要素①
下のマトリックスはこれら二つの要因を横軸、縦軸にとっています。
横軸は、人前で発表する機会が所属する組織の総和として多いかどうか、またその発表が「プレゼン」という形態をとっているかどうか、ということです。一般的に外資系企業やハイテク・ネット系ベンチャー企業は「多い」に該当するでしょう。日本企業では近年バラつきが広がっているのではないでしょうか?
縦軸はプレゼンテーションソフトとの親和性です。パワーポイント(以下「パワポ」)というプレゼンソフトの発売は1987年で、ちょうど30年前でした。しかし、日本企業に普及したのはずっと後のことだと記憶します。普及期後に学生~新人時代を迎えた人は親和性が高い「パワポ世代」と推測します。特にここ数年は、大学の授業でPBL(Project Based Learning)の導入が進み、学生がパワポを使ってプレゼンする機会が増えています。この世代は生粋の「パワポ世代」です。「パワポ世代」の上限は、2017年時点で40歳代ではないか、と考えます。
マトリックス中の〇△×はある個人「Aさん」についてプレゼンの累積経験量が豊富になる可能性の大小を示しています。一般的な傾向として、〇△×の順にプレゼン資料を作ったりプレゼンをしたりすることが上手、あるいは苦にならない傾向が強くなると推測されます。
上記マトリックスの右下「職場でプレゼンが行われることが多いが、パワポ世代でない人」は、プレゼンの累積経験量は「○」にはなりにくいようです。なぜなら、プレゼン資料の作成や場合によってはプレゼン自体もそれらが得意な部下等に委ねる傾向にあるからです。
当然のことながら、累積経験量の多い「〇の人」がみなプレゼン上手とは限りません。ここにもう一つの要素である「マインドセット」が絡んできます。プレゼンに臨む「マインドセット」が備わっていないと、一見プレゼンのように見えますが、厳密にはプレゼンとして成立していない「なんちゃってプレゼン」を行いがちです。
「なんちゃってプレゼン」の特徴を幾つか挙げてみましょう。いずれも研修で頻繁に遭遇する現象です。
プレゼン資料の作成上の特徴1:「情報のテンコ盛り」
ネットで切り取った表やグラフをやたらと貼る
「白紙」部分を恐れて、意味のない「きれいな」切貼りを多用する
プレゼン資料の作成上の特徴2:「安易なビジュアル化」
単語を四角形でやたらと囲む
その四角形をやたらと矢印でつなぐ
(「なんちゃってプレゼン」のスライド例)
プレゼンテーション(発表)の特徴:「スライドごとの説明のパッチワーク」
スライドを1枚1枚丁寧に説明するが、スライド間のつながり、つまりストーリーが見えてこない
「・・・で、何が言いたいの?」が一向に伝わってこない
では、なぜ、このような「なんちゃってプレゼン」が横行するのでしょうか? 次のブログではこの理由についての考察を取り上げます。
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