Photo by Miki Kondo
2013年10月、IMDの女性エグゼクティブのためのリーダーシップ研修に参加しました。この研修に参加したことがEWLPの立ち上げのきっかけとなり、私の人生の大きな転機となりました。 IMDは、スイスのレマン湖畔ローザンヌにあるビジネススクールです。MBAコースに加え、ビジネスリーダーの育成に定評があります。私が参加したのはStrategies for Leadership(SL)というIMD唯一の女性に特化したリーダーシップ育成プログラムです。
SLは、「リーダーに必要な能力やスキルのうち、特に女性に共通する課題であり女性が学ぶことで高い効果が期待できるトピックを集中して学ぶ」というプログラムです。 研修期間は、たったの4日間。授業料は100スイスフラン(当時の為替で100万円超)。渡航費や宿泊費は別です。金額に見合った学びがあるのだろうかと不安が頭をよぎったものの、どうしても体験したいという強い気持ちと万一転んでもタダでは起きない自信に突き動かされ参加を決めました。
対象者は「10年以上の仕事経験のあるシニア~アッパーミドルレベルの女性エグゼクティブ」と規定されています。私が参加した回の参加者は総勢30名、うち8-9割が企業や官公庁からの派遣、残りは自己投資として参加している起業家やキャリア転換期の人でした。 とあるグローバル企業は、「女性リーダー育成施策」の一環として、複数の国や地域から選抜された役員候補(と思われる)を派遣していました。(かなりの投資額です)
参加者の多様性もこのプログラムの素晴らしい点です。参加者の国籍は16か国に渡り、属する業界も職種も多岐に渡っていました。私は、初めて中東やアフリカの人たちと近しく接する機会をもちました。
内容は、女性に特に強化が必要なエリア(影響力を与えるコミュニケーションや効果的なネットワーキングなど)の実践的な「スキル」研修もありましたが、メインとなるのは徹底した自己理解(Self-awareness)を通して、リーダーとしての自分の成長課題を明らかにしていくプロセスでした。そしてその課題の克服に向かうための「力」を授けてもらったと感じます。まさしくTrainingというより、”Empowerment”なのです。
4日間の研修では、レクチャー、ケーススタディ、グループディスカッション、グループコーチング、個人コーチング、馬(!)とのアウトドアアクティビティなど、さまざまな手法が効果的に用いられていました。その無駄のないアプローチには、人材育成を専門にしてきた私も舌を巻きました。
そして何より印象的だったのは、「厳しさと包容」が共存した研修であること。「厳しさ」は、学びも自己変革も自己責任という前提で自分自身の弱さに向き合うこと。「包容」は、心温かな講師、コーチ、サポートスタッフと成熟したビジネスパーソンとして共感力のある参加者たちに囲まれ、安心安全な学びの場が提供されていることです。
私の個人的な収穫は、自分自身の強みと成長課題が明確になったこと、課題を克服するための具体的なアクションが明らかになったこと、そして素晴らしい女性たちとの出会いです。 帰国後、課題克服に取り組む中で、私は具体的な効果を実感しました。そして、私がIMDで経験した「Empowerment」を日本語で日本の女性たちに還元したいと考えるようになりました。そうして、立ち上げたプログラムがEWLPなのです。
2014年8月7日
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近藤美樹
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近藤美樹の旧ウェブサイト「Empower Women Leaders Program」に掲載されたブログ(2014年7月~2016年4月)を転記しています。